七五三は記念写真だけでもよい?

七五三は子供の成長をお祝いする大切なイベントですが、現在はコロナ渦という状況もあり、神社でのお参りを控える人が増えています。しかし、せめて記念撮影だけでもという考えから、撮影だけをする人が増えています。

神社にお参りすることには意味がありますが、撮影だけでも大切な思い出を残すことができます。そこで今回は、七五三の記念写真だけでも十分なのかという疑問について考えてみたいと思います。

七五三の記念写真撮影だけでも大丈夫?

七五三の伝統や文化を大切にすることは素晴らしいことですが、現在のコロナ渦の状況を考えると、自分の子供を人が多く集まる場所に連れて行くことに不安を感じるかもしれません。そこで、七五三の記念写真だけで済ませることは可能なのか、という疑問が生じます。

写真だけでも問題ないのか

実際に、最近では七五三の記念写真だけで済ませる家族が増えています。七五三の行事自体は明治時代から続く伝統ですが、その文化を継承するために参拝をすることが必要なのではなく、あくまでも子供の成長を喜び、記念に残すことが重要であると考える人もいます。そのため、写真だけで済ませることが問題ないという見方もあります。

現代の七五三について

現代の七五三は、日程、行き先、そして服装においても多様化しています。例えば、日程は10月から11月の土日に限らず、平日や年末年始に行うケースもあります。行き先についても、大きな神社に行くのはもちろん良いですが、近所の神社やお寺でも良いとされています。また、和装だけでなく、洋装や正装での参拝も増えています。

このような多様化の中で、特に七五三の記念撮影には親御さんの関心が高いです。子供の成長はあっという間に過ぎ去っていくものですが、写真を通じてその瞬間を切り取り、永遠に残すことができます。

七五三を通過点として、これからの成長していく姿を楽しみにする文化が根付いてきているということもあります。七五三の行事が、単なるしきたりや風習ではなく、子供たちの成長を祝う特別なイベントとして、今後も大切にされていくことでしょう。

七五三ではなにをするのか

七五三のお祝いの仕方に厳格な決まりはなく、写真撮影だけでも問題ないとされています。しかし、一般的な七五三の流れも紹介させていただきますね。由来などを知っているか知らないかでは全く七五三を写真のみにするにしても変わってくるでしょうから。ここでは、七五三当日の主な流れを紹介します。

七五三の起源としては、諸説がありますが、五代将軍の徳川綱吉が長男・徳松の健康を11月15日に祝ったことを始まりとする説が有力とされています。この日にお祈りをしたことから、徳松がすくすくと成長したことで、各地にて11月15日にお祝いをする文化が広がったと考えられています。

また、旧暦の15日は、かつては二十八宿の鬼宿日(鬼が出歩かない日)と呼ばれており、何事をするにも吉であるとされたことから、この日に祝うようになったともされています。

三歳で祝う「髪置の儀」

七歳までの中でも、七歳、五歳、三歳を祝う理由は、日本の古い行事が始まりとされています。平安時代には、生後七日目から三歳までは坊主頭で育て、三歳から髪を伸ばすと決まっており、伸ばし始める頃に「髪置」という儀式が行われました。

五歳で祝う「袴着の儀」

五歳~七歳になると、初めて袴をつける「袴着」あるいは「着袴」という儀式が行われました。この儀式は、江戸時代以降は男子のみの風習となり、現代でも行われている地域もあります。

七歳で祝う「帯解の儀」

鎌倉時代には、紐をつけて着付けていた着物の紐を取り、女の子が着物の帯を結び始める「帯解」という儀式が行われるようになりました。

これらの儀式をまとめて七五三と呼ばれた

それぞれは元々は別の儀式でしたが、子供の成長を祝い、成長とともに新しいことを覚えていくということを目的としているという点では、接点のある儀式です。これらがまとめて七五三と呼ばれるようになりました。

現代では、坊主で子供を育てる文化はありませんので、髪置の儀式自体は必要がありません。また、着物の着用も滅多に着ることがない家庭が増えたため、袴着(あるいは着袴)や帯解の儀式の必要もありませんが、子供の成長を神様に感謝し祝うという文化が、現代に続いてきたことで、現在の七五三が存在しているということです。

このような日本の文化である和服にちなんだ儀式が行われていた過去の背景があり、今でも七五三の参拝の日には正装をする文化が残っているのかもしれませんね。

どうして七五三のお祝いを記念写真撮影だけにするのか?

先程紹介したように神社で祈祷をお願いしてお祝いするという流れが一般的な七五三のスタイルではありますが、最近は記念写真だけを撮影する家族も増えています。

コロナ渦ということもありますが、「子供に慣れない恰好をさせて長時間拘束するのは嫌だ」と考える人も多いようです。その一方で、「写真だけ残す形にしてしまったら後で後悔しないだろうか?」と思われる人も大勢います。

考え方によりますが、七五三を迎える本人はおそらく七五三の当日の事を詳しく覚えていることはないのではないでしょうか?きっとあなた自身も当日にどんな場所に行って何をしたのかは覚えていないのではないでしょうか?

しかし、記念写真に残しておけば、後でその記念の瞬間を振り返る事ができます。

まとめ

七五三をどのように行うのか?七五三という文化を理解している中で、どのようなスタイルで行うかの違いということがお分かりいただけたのではないかと思います。

○○しなければいけないという事は無いのです。七五三というイベントをきっかけに、家族でお子さんの成長を祝い、ひとつの区切りとして記念に写真に残すという考えも間違ってはいないのではないでしょうか。

お子さんがもう少し大きくなった時に、家族みんなで、七五三の記念写真を見ながら盛り上がる時が来るのを想像するとなんだか嬉しくなりますよね。素敵な七五三になることを願っております。