七五三は必ず神社で?伝統を守りながら変化を受け入れよう

七五三は必ず神社で?伝統を守りながら変化を受け入れよう

子供を持つ親にとって七五三はビッグイベントといえるでしょう。昨今では、写真スタジオやフォトスタジオで前撮りや後撮りサービスを選び、お参りの日と別々に撮影をする人が増えてきています。

前撮りや後撮りということで、年内いつでも撮影が可能であり、家族のスケジュール調整がしやすいプランであることが、時代のニーズにあっており大変人気となっております。

しかし、楽しみにして張り切って盛大にその日を迎えようとする親もいれば、さまざまな事情により七五三という行事を簡略的に済ませたいと考える親もいます。

たとえば、七五三を写真撮影だけで済ませられないかと考える親も意外と多いのです。しかし、そのような親の多くは「子供のための行事なのに神社でちゃんとした祈祷を受けないなんて…」と罪悪感を感じてしまうことがよくあります。

七五三を写真撮影で済ますことはいけないことなのでしょうか?このような疑問に対しては、「問題ありません」という回答になります。確かに、多くの家庭では七五三となると写真撮影はもちろん、神社で祈祷を受けて参拝をして、というような段取りを行います。

中には祖父母も招いて食事会を開いたりする家庭もあります。しかし、実は七五三はそれぞれの家庭の事情に合わせて臨機応変に行って構わないのです。

七五三を写真撮影だけで済ませるメリットとは?

日本人はわりと古くからの伝統行事を重んじることが多いため、七五三という大切なイベントを写真撮影だけで済ませることにマイナスなイメージを抱く傾向があります。特に祖父母や親戚など周りの人からは、「七五三写真だけなの?かわいそう」というような責められるようなことを言われることもあるかもしれません。

しかし、七五三の主役は子供です。もし子供がどうしても「神社に参拝に行きたい!祈祷をしてもらいたい!」と主張するのだとしたら、親としては検討をする必要はあるでしょう。実際には、子供は綺麗な着物を来て笑顔の写真を撮ってもらうだけで喜ぶということが多いものです。

むしろ、幼い子供の場合、性格によっては神社で祈祷を受ける間のじっとしている時間や、動きにくい服装で歩くことでストレスを感じてしまいます。大きくなってからも、神社での出来事はあまり記憶になくても写真を見返すと自分が七五三を祝ってもらったという事実を振り返ることができ、十分満足できるはずです。

子供にとって七五三の思い出を形に残すなら、写真撮影だけでも立派なものになるでしょう。周りの人にも、写真を見せることができれば「七五三をしなかった親」としての罪悪感を感じることも少なくなります。

七五三の写真撮影は子供向けの写真スタジオ(フォトスタジオ)や写真館で行う家庭も多いですが、そのようなスタジオでは子連れでの来店に対処することに慣れています。ベビーベッドや授乳室があるスタジオもあり、写真撮影の際に赤ちゃんなどがいても気を遣う必要がありません。手のかかる兄弟姉妹を抱えていてもスタッフは慣れているので親としても安心です。

しかし、神社となるとやはりそこは厳かな場であり子供を走り回らせるわけにもいきませんし、着物ではトイレに行くにも一苦労です。そのため、特に子供が幼い場合や、下に弟または妹がいるという場合には写真撮影だけで済ますことができれば、子供たちだけでなく親の負担はかなり減ります。

祈祷は受けずに参拝だけしてもOK

「御初穂料」と書かれた祝儀袋

七五三では神社で祈祷を受けるとなると、日にちや時間が決まっているのでスケジュールの調整が必要となり小さな子供がいてはなかなか大変なこともあります。また、祈祷を受けるには初穂料といって神社にお金を渡す必要があります。

窮屈な着物を着て慣れない場所、厳かな雰囲気の中で長時間じっとしていることは、子供にとって苦痛にもなります。それでも、やっぱり七五三だから一応は神社に足を運んで神様にお礼を伝えたり、今後の健康や成長をお祈りしたいという親心があるものです。

それなら、祈祷を受けずに参拝だけするというやり方もあります。参拝であれば、神社を訪れるのは決まった時間でなくても構いませんし、お賽銭を入れて神様に手を合わせることで、お祈りをすることができます。

子供にとってもストレスがほとんどなく、七五三で神社に行ったという思い出ができるでしょう。また、七五三の日に着物を来て参拝することができなくても、参拝であれば後日洋装で都合のいい日に家族で神社に行っても構いません。混雑を避けることができますし身動きがしやすいというメリットがあります。

七五三を写真撮影だけで済ませてしまったけれど、後からやはり後悔している…という場合には後から神社を参拝してもいいのです。

神社に行かずに食事会をしてもいい

せっかくの七五三だから、ただ写真撮影をするだけでは物足りないかも、と感じるのであれば、家族で外食をするのも良いでしょう。子供に「七五三のお祝いだよ」と伝えれば喜んでくれますし、思い出にも残るはずです。

また、外食をするのが難しいのであれば出前やテイクアウトでちょっと贅沢な食事を家庭で楽しむのもおすすめです。もちろん、わざわざお金をかけなくても親が腕を振るって子供の好きな料理やケーキなどを作ってあげるのも最高です。

楽しい食事でお祝いできれば、「神社に行かなかったからかわいそう」というマイナスな気持ちも薄れるはずです。お祝いの食事以外にも、七五三で子供にとって大切なものは「千歳飴」です。千歳飴は写真撮影時や神社でもらえることが多いですが、親がスーパーなどで購入して用意しておけば大丈夫です。

かわいい着物を着て、好きな料理を家族みんなで楽しく食べて、千歳飴ももらうことができれば、子供はとても喜んでくれるでしょう。

まとめ

七五三は必ずしも神社へのお参りが必要なわけではありません。神社に行かなくても、七五三の思い出は写真で残すことができ、お子様の宝物になります。

また、事情があって神社に行けない場合でも、七五三の当日にこだわる必要はありません。後日、都合の良い日にお参りして、お子様の健康や成長を祈願することもできます。また、神社へのお参りができない場合でも、自宅で家族とともに、千歳飴やお餅のお祝い、特別な衣装を着て、昔ながらの七五三をお祝いすることも可能です。

一番大切なのは、子どもの成長を祝おうという親の気持ちと愛情です。七五三の凝った伝統や規範にとらわれることなく、自分や家族にとって意味のある方法で、どんな形であれお祝いすることを心がけましょう。

特に初めての七五三は、流れや段取りがわからないという親御さんも多いのではないでしょうか。親の愛情が伝統やプレッシャーにとらわれすぎてしまうと、せっかくのお祝いの意味も薄れてしまいます。

利用できる資源、家族の好み、子供の年齢などを考慮して、お祝いのスタイルを選ぶことが大切です。七五三のお祝いの仕方に絶対的な決まりはないのです。