七五三の祈祷にはどのような意味が込められているの?祈祷の際の初穂料の相場について
七五三は、子供の成長を祝い、無事に育ってきたことへの感謝を表す日本の行事です。一部の家庭では、写真を撮影して食事をするだけで終わる場合もありますが、一般的には着物を着て神社に参拝し、祈祷を受けます。祈祷とは、神様に願いを捧げる儀式です。
写真撮影のみの場合は、特別なマナーは必要ありませんが、祈祷を受ける場合には、最低限のマナーを守る必要があります。そこで今回は、祈祷に関する詳細な情報を紹介します。
祈祷の意味と知っておくべき基本的な情報
祈祷というのはどんな意味があるのか?何のためにするのか?けっこう理解していない人が多いです。せっかく祈祷をお願いするのであれば、どんな意味があるのか基本的なことを理解しておきたいですよね。
祈祷は特別なお願いがあるときに行うもの
祈祷は七五三をするときは必ずしなければならないものではありませんが、行う家族も多いです。通常、神社に行くときは賽銭箱に賽銭を入れて拝礼などを行います。もちろん七五三のときも賽銭を入れるだけなどでも良いですが、せっかくの七五三なので祈祷もお願いするようにしましょう。
祈祷とは、特別なお願いや厄除けなど、通常よりも大切なお願いがあるときや人生の節目に行うものです。
七五三は神様に感謝をしてこれからの子供の成長を願う大切な行事です。祈祷はより神様の加護をもらえるようにと願うものなので、七五三のときに受けることが多くなっています。
祈祷の内容は神社によっても違いますが、受ける側は基本的に座っているだけです。途中で返事をすることや奉納をしたりすることもありますが、全てお子さんの成長を願う儀式の1つだと考えておきましょう。
神社で祈祷を受ける方法
祈祷を受ける場合、子供と一緒に神社を訪れることになります。予約が必要な場合もありますが、神社にある「御祈祷申込書」に記入し、受付を行うことが一般的です。
祈祷は、七五三を含めて年中行うことができます。御祈祷申込書には、「願事」という欄があり、そこに「七五三」と記入すれば、七五三用の祈祷を受けることができます。神社によって祈祷の時間帯は異なりますが、一般的には午前9時から午後4時30分の間に行われます。
祈祷を受けるときにかかるお金事情
祈祷を行うときはお礼としてのお金を支払う必要があります。神社によっても変わってくるので、お金事情のことも頭に入れておきましょう。
初穂料の金額は神社によっても違う
七五三を含め、祈祷を受ける際に支払う金額を「初穂料(はつほりょう)」と呼びます。一般的な相場は5,000円から10,000円であるため、事前に問い合わせて確認するようにしましょう。
初穂料は、1人あたりの相場です。例えば、お子さんが2人祈祷を受ける場合、5,000円であれば10,000円を支払う必要があります。しかし、神社によって初穂料の金額は異なります。高額であれば祈祷の効果が高まるわけでも、神社の格が高くなるわけでもありません。
金額が高ければ良いわけではないため、神社の立地やアクセスなどを考慮して訪れることをお勧めします。
初穂料の金額が決まっていない場合もある
初穂料には「〇円」と明確に決まっている場合もあれば、決まっていない場合もあります。決まっていない場合でも無料で受けられるわけではなく、自分の気持ちで納めることになります。
初穂料の相場は一般的に5,000円から10,000円程度であり、その金額を目安に納めるようにしましょう。
特別なお祝い品がある場合には相場以上の金額を納めることもありますが、七五三の場合はお子さん1人につき相場内の金額で問題ありません。相場以下の金額を納めることはマナー違反になるだけでなく、祈祷の効果にも影響を与えることがあるため、相場の金額を納めるようにしましょう。
初穂料を渡すときのマナーとのし袋の書き方
初穂料を渡す際には、のし袋に入れて渡すようにしましょう。ご祝儀を渡すときと同様のマナーが基本的には適用されるため、金額や名前、住所などを中袋に記入し、水引や中袋に入れるようにします。
水引には「御初穂料」と書き、お子さんの名前を下に書くようにします。親御さんの名前は必要ありませんので、お子さんのフルネームを書きましょう。
また、中袋には納める金額を記入します。金額の後ろに「也」は不要で、「金 伍千円」などと書いて準備しましょう。
中袋の裏面には、住所(郵便番号を含む)とお子さんの名前を書き込みます。
このようなのし袋は自分で用意するのが一般的です。時間がかかるため、前日までに準備しておくことをお勧めします。
祈祷をしてもらうときの予約から祈祷までの4ステップ
地域や神社によっても手順が異なることがありますが、一般的には以下の順番で行っていきます。その場になって慌てないように、だいたいの流れを掴んでおきましょう。
- 予約が必要であれば予約する
- 初穂料を納める
- 順番が来るまで待つ
- 祈祷を受ける
順番に見ていきましょう。
①予約が必要であれば予約する
予約が必要かどうかは神社によっても違います。必ず予約が必要なこともあれば、予約なしで当日行ってそのまま祈祷を受けることができる場合もあります。
もちろん時間も決まっているので、事前に確認して必要であれば予約を取っておきましょう。神社に問い合わせをする、HPを確認するなどして、早めに調べておきます。
七五三シーズンになると混雑することが多くなり、前日や当日だと予約が出来ないこともあるので注意しておいて下さい。
関連リンク
早め早めの行動が大切!七五三の祈祷の予約方法について ⇒ https://snow-in.cc/post/blog/1440/
②初穂料を納める
初穂料を渡すタイミングは神社によっても違いますが、受付をしたときにその場で渡すのが一般的です。当日に神社で予約した場合は、その場で渡すようにしましょう。
事前に予約をした場合は、予約をしたタイミングで支払うこともあれば、当日に神社で受付を済ませたとき支払うこともあります。心配であれば事前に問い合わせをしておくようにしましょう。
③順番が来るのを待つ
受付を済ませると待機場所に案内されるので、順番が来るのを待つようにします。大きな神社や予約をしていない場合は、順番が来るまで時間がかかることもあります。お子さんが退屈しないよう、静かに遊べるオモチャなどを持参しておくと安心です。
④祈祷を受ける
祈祷が始まると後は流れに任せておくだけなので特に難しいことはありません。作法などのその場で教えてくれることがほとんどなので、言われたままするようにして下さい。もちろん、祈祷を受けるお子さんだけではなくて家族も一緒に祈祷場所に案内されます。
祈祷にはお祓いや祝詞などいくつかの手順があります。時間は10分程度であることが多く、長くても30分ほどとなっています。祈祷が終わると千歳飴などを受け取って終了です。
祈祷をしてもらうときの常識的なマナー
祈祷は神様へのお祈りやお願いを行うものなのでマナーも必要です。神社という神聖な場所でもあるので、七五三のときに訪れるときはマナー違反にならないようにしておきましょう。
家族もきちんとした服装をする
写真撮影だけをするのであれば構いませんが、参拝や祈祷を行うときは同行する家族もきちんとした服装をするようにしましょう。主役は七五三を迎えるお子さんなので、家族は主役よりも格下でフォーマルな服装をするのがマナーです。
ジャケットやフォーマルなワンピース、主役よりも格を下げた着物などを着用するようにしましょう。
基本的に、祈祷を行うときはつま先の出た靴は履きません。女性ならパンプス、男性なら革靴など、衣装だけではなくフォーマルさのある小物を身に着けるようにして下さい。
初穂料はピッタリの金額を入れて渡す
祈祷の際の初穂料は、のし袋に入れて渡すのが一般的なマナーです。現金を財布から出して裸で渡すことはマナー違反であり、のし袋にはピッタリの金額を入れておくようにしましょう。
祈祷料は基本的におつりは返ってこないことに注意しましょう。店での買い物と同じように代金を払うわけではないため、注意が必要です。
10,000円を渡して5,000円のおつりを求めるなどの行為はマナー違反であるため、そうならないように注意しましょう。また、お札は新札でなくても構いません。事前に適当な金額をのし袋に入れて準備しておくようにしましょう。
まとめ
過去には医療や食料不足などの問題から、幼くして亡くなってしまう子供が多く存在しました。そのため、七五三は現在でもその名残を残し、「子供が健やかに成長するように」という祈りを込めた重要な行事として継承されています。
参拝するだけでも意義深いですが、祈祷を受けることで願いが届きやすくなり、神様からの加護を得ることができると信じられています。祈祷は神聖な行為であり、人生で何度も繰り返すことはめったにありません。お子さんのためにも、マナーを守って心地よく七五三を過ごすようにしましょう。