【着物のメンテナンスについて】正絹と化繊のそれぞれのメリットを紹介
七五三は子供の成長を祝う大切な伝統行事ですが、親子ともに一番楽しみなのは衣装となる着物を選ぶことです。
それでも、着物を着て写真を撮ったり、神社にお参りしたりする機会は一生にそうそうないので、親にとっても子どもにとっても、とても貴重な思い出になります。
七五三で着る着物は、色やデザインもさまざまですが、着物を選ぶ際に最も重要なのは、その素材です。七五三の着物の素材には、正絹と化繊の2種類があります。
子どもが七五三で着る着物を選ぶとき、正絹と化繊のどちらを選ぶかは、親の考え方次第です。
一般的には、正絹は風通しがよく、生地本来の強さがあるためすぐに擦り切れることがないため、子どもの着物には正絹がおすすめです。しかし、合成繊維も正絹に比べると丈夫で軽く、価格も安いので、実用的な素材として人気があります。
どちらの素材にも一長一短があるので、最終的にはお子さんの七五三にどちらの素材が適しているかは、親御さんの判断に委ねられます。最終的には、美しく上品で、着心地がよく、着こなしやすい着物であることが大切です。
この記事では、七五三の着物で「正絹」「化繊」のどちらを選べばいいのか、と悩んでいる人にとって参考になれば嬉しいです。
七五三の着物「正絹」
メリット
正絹は昔から着物の生地に使われている天然の繊維で、蚕(かいこ)を原料としています。一番の魅力はやはり質の良さです。天然の繊維で作られた糸によって織り込まれているので、生地に深みを感じることができます。
また、非常に上質な素材というだけあり通気性が良く着心地がとても良いのが魅力です。子供の小さな体にもしっかり着付けることができ、動いても綺麗な形をキープすることができます。正絹の着物は見るからに上質であり、快適に着用することができるという点がメリットです。
デメリット
祖父母世代も、「着物といえばやっぱり正絹」という考え方が根強く、「化繊なんて安っぽい」と思われてしまうこともあるでしょう。そんな正絹の着物にはデメリットもあります。
まず、天然繊維を使っていることから購入するとなるとかなり高価になります。七五三のサイズもすぐに合わなくなるため、一度きりしか着用することができない可能性が高いです。将来子供に子供が生まれるとも限りませんし、デザインが古く気に入らないと嫌がられて結局出番がないというケースも多いです。そのような1回しか着ない着物に高いお金を払うくらいなら、他のことに使ってあげたいという親もいるでしょう。
子供自身も、自分が正絹の着物を着ているのか化繊の着物を着ているのかはわからないです。また、正絹の着物は水に弱いため、食べ物をこぼしたり汚したりしやすい子供に着せるには細心の注意が必要です。クリーニングも専門店に出す必要があり、定期的にメンテナンスをしないとシミだらけになることもあるため、購入後も手間や費用がかかります。
七五三の着物「化繊」
メリット
七五三の着物には、最近ではポリエステルを主流とした「化繊」が使われていることも多いです。合成繊維であるため正絹には質が劣るというイメージを持たれがちですか、化繊の着物には小さな子供によく似合う明るく鮮やかな色合いやポップでかわいい柄のものも多いです。
化繊の着物のメリットはやはり正絹の着物に比べてかなり価格が安いことです。天然の繊維ではないため虫食いで穴があく心配もなく、ちょっとした汚れなら軽く拭き取るだけで取れたり、水に濡れてもすぐに乾きシミにもならにくいです。
化繊の着物には自宅で洗うことができるものも多いため、子供が着物を着ている時に食事をしたり外を歩いたりすることにもそこまで神経質にならなくてすみます。自宅で洗える化繊の着物なら、専門店のクリーニングに出す必要もなく保管も楽です。コストパフォーマンスの良さや扱いやすさが大きな魅力です。
デメリット
ただ、やはり化繊の着物には正絹の着物と比較するとデメリットもあります。子供に似合うかわいい着物を着せたい、という考え方であれば化繊でも満足することができるかもしれませんが、せっかくの晴れの日、七五三という伝統行事で着せるなら上質な着物がいいという親も少なくありません。やはり質の面で考えると化繊は正絹に劣るのが事実です。
また、化繊は通気性がよくないのと、生地がバサッとした感触なので正絹と比較すると着心地もあまり良くありません。幼い子供には違いがわからないとしても、親として最高級の着物を着せたいのなら、化繊では納得できない可能性が高いです。
七五三では「正絹」「化繊」どちらの着物を選ぶべき?
七五三で子供に着せる着物を選ぶ際に、正絹と化繊のどちらかにするかは、親の考え方によっても異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で納得する素材の着物を選ぶことになります。
ただ、子供の希望がある場合には耳を傾ける必要があります。子供は見た目のデザインを重視する傾向があるため、いくつかお気に入りのデザインの着物を選んでもらい、その中で素材もふまえて選ぶと良いでしょう。
女の子の場合は、3歳の七五三ではまだ幼く高価な着物を汚してしまう可能性もあるので化繊の着物をレンタルして、7歳の七五三では正絹の上質な着物を着せるという方法もあります。
写真撮影だけでは、正絹か化繊か区別がつかない場合もあります。レンタルでも購入でも、実物を手に取り子供と一緒にじっくり選ぶことをおすすめします。
まとめ
七五三の着物の素材では、正絹でも化繊でもそれぞれにメリットとデメリットがあるため悩んでしまうことがあります。今は便利な時代となり、化繊でも十分見栄えの良いデザインの着物がたくさんあり、自宅で洗えるなど使い勝手やコストパフォーマンスが良いため大変魅力的です。
もし、「どうしても正絹の着物を七五三で子供に着せたい」という強い思いがあるのなら、晴れの日に最高級の着物を着せることで素晴らしいと思い出作りができるでしょう。ただ、「着物のメンテナンスは大変だし、正絹の着物は高いから化繊がいいけど…正絹じゃないと安っぽいって言われるのかな?」と一般論や世間体を気にしているだけなら、無理に正絹の着物を選ぶ必要はありませんし、化繊でも全然問題はありません。
「できれば正絹の着物を着せたいけれど、高価だしメンテナンスができない」とあきらめているなら、正絹の着物をレンタルするという手段もあります。レンタルであれば料金もおさえられますし、メンテナンスも不要です。
七五三の着物選びにはさまざまな選択肢があります。納得のいくお気に入りの着物を見つけて、子供にとっても親にとっても思い出に残る素晴らしい七五三の日を迎えましょう。
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