七五三の神社の参拝は仏滅は止めた方がよいのか?

七五三の神社の参拝は仏滅は止めた方がよいのか?

七五三は、子どもの健やかな成長と発達を祝う大切な行事です。

ご家族のスケジュールを調整しながら、神社へのお参りや記念撮影を計画されていることと思います。

そんなお祝いの計画を立てる際に気をつけたいのが、お参りのお日柄についてです。

「大安」「仏滅」など、いわゆる「六曜」にはそれぞれ意味があり、なかには著しく縁起が悪いとされる日もあります。

仏滅などの縁起の悪い日は、神社に参拝すると縁起が悪いとされ、日本では特別な扱いを受けてたりします。

このように、縁起が悪いとされる日に予定が合わないと、「大丈夫かな」と心配になりますよね。

特に縁起が悪いとされる「仏滅」の日に七五三で参拝するということは果たしてどうなのでしょうか?

仏滅の日はやっぱり避けたほうが正解なの?

結論から言うと、「仏滅」を気にする必要はありません。なぜなら神社がお祀りしている神様と、六曜には正式には直接の関係がないためです。

実際には、迷信はあっても、このようなお祝い事に関しては、心配するかしないかは個人の判断に任されています。

日本では本当に「恐れを抱くことだけが悪いことだ」ともよく言われますよね。

今回は「七五三の神社の参拝は仏滅は止めた方がよいのか?」と題して紹介していきます。

そもそも「六曜」とはどういうもの?

一般に結婚式やお葬式などで気にされることの多い「大安」や「仏滅」といったものは、「六曜」と呼ばれる暦の考え方の一つです。

六曜には、冠婚葬祭など人生の節目とされる2つの特別な日があります。この日を「大安」「仏滅」といいます。また、六曜は、古代中国で生まれたとされる暦の概念です。しかし、その本当の起源については諸説がありまして、日本には鎌倉時代(1185~1333年)に伝わりました。

そして、江戸時代(1603-1867)に六曜が普及し、庶民の間にも根付いていきました。六曜は、その歴史の中で少しずつ順番や日付けが変わってきています。

かつては「立礼」「則吉」「小吉」「京極」などがありました。現在の「友引」「先勝」「仏滅」「大安」「赤口」が形になったのは、江戸時代後期になってからのことです。

明治時代になると、政府の西暦化政策により、六曜暦は廃止されそうになりました。しかし、すでに一般に浸透していたため、特例として六曜が残されることになりました。

「仏滅」の意味

六曜の考えに基づくと仏滅は「大凶日」とされ、すべての物事について凶であると言われています。

そうしたことから現在でも結婚式などでは避けられる傾向にありますが、一方で「仏事に関しては良い日」であるともされ、また元の漢字が「物滅」であったことから、物事が一旦滅びてまた新たに始まるとして、何かを始める日としては「大安」よりも良いという解釈もあります

六曜と神社の関係

「仏滅」や「友引」など、仏教に関係が深いかのような言葉の多い六曜ですが、実は仏教との関りは基本的にはありません。

六曜の発祥は中国とされており、インドを源流として日本に渡って来た仏教とは異なる歴史を歩んできています。

「仏滅」も仏が滅ぶということから仏教を連想してしまいがちですが直接的な関係はなく、民間で伝承されていく中で様々な宗教観や信仰の影響を受けて現在の形になったと言われています。

一方、神社は日本特有の神道による祭祀施設であり、日本古来の神様や土地を守る神様を祀るものです。

日本では歴史の中で多くの宗教や民間伝承が交じり合って様々な信仰が生まれおり、互いにある程度の影響は与えあっているものの、神様を祀る神社と、仏教と、そして六曜はそれぞれまったく別のものなのです。

他にどんな縁起の悪い日がある?

六曜の他にも日本には縁起が悪いとされる日がいくつかあります。

  • 受死日(じゅしび)
  • 十死日(じっしび)
  • 不成就日(ふじょうじゅび)

仏滅と同様にそこまで気にする必要はありませんが、参考のため触れておきましょう。

受死日(じゅしび)

暦の中では最も縁起が悪い日とされ、何をするにも良くなく、葬儀のみ可能とされています。基本的には何もしないほうがよく、月に2、3日程度、年間を通して30日ほどあります。

十死日(じっしび)

生きる見込みがほとんど無い日という意味があり、受死日の次に悪い日とされています。こちらも月に2、3日ほど、年間で30日程度あります。

不成就日(ふじょうじゅび)

「六曜」や「干支」と同じ暦の解釈の一つである「選日」の一種で、文字通り何をしても成就しない日とされており、結婚式や契約、開店などには向かないと言われています。
月に3~5日程度あり、年間を通して50日ほどあります。

七五三に最もふさわしい日とは?

葵の御紋

逆に七五三に最もふさわしいとされている日は、11月15日です。

一般的に正式な七五三はこの日に行うべきとされています。なぜ11月15日なのかということについては諸説あり、旧暦で「鬼宿日」という縁起の良い日であったとか。

江戸時代に徳川家が息子の健康祈願をした日であるとか、「7」「5」「3」を足すと「15」になるからといった説があります。

ただし誰もが11月15日ちょうどにお参りや撮影をできるわけではなく、混雑の問題などもあるので、実際には10月中旬から11月下旬くらいの間で都合のいい日を選ぶ人が多いです。

近年では気にしない人も多い

ここまで解説してきたように、神社でのお祝い事についてはとりたてて関りはない仏滅という日ですが、特に上の年齢層では避けるべきという考えを持つ人も少なくありません。

ただ、近年では若い家族を中心にあくまで民間の信仰の一つと捉え、あまり気にしない人も増えてきているようです。

実際に六曜そのものも世間で広まっていく過程で様々な解釈や新しい考え方が付け加えられて変化をしてきており、仏滅を避けるという考えもそうした中で生まれたものの一つです。

そう考えてみると現在、仏滅をあまり気にしない人が増えているということも民間信仰の変化の流れとは言えるかもしれません。

七五三の記念撮影は仏滅でも大丈夫?

神社への参拝日とは別に、家族での記念撮影を前撮りしようと考えている家族もいるかと思います。この日取りについてですが、こちらも先の解釈と同様に仏滅であっても特に気にする必要はありません

また撮影は専用のスタジオにお願いして行うことが多いですが、撮影スタジオは神社ともまた別なので、縁起についてもほとんど問題はないと言えるでしょう。

まとめ

「仏滅」と言えば多くの日本人が知る縁起の悪い日であり、おめでたい日に重なってしまうのはどうかと考えてしまう人も多いですよね。しかし六曜と神社には直接の関係はなく、そこまで気にしすぎず、それぞれの都合が合う日に参拝や撮影をするのが良いでしょう。

ただし今でも縁起を気にする人も少なくはないので、適度なところで折り合いをつけて行うのが良いのではないでしょうか。せっかくのお祝い事ですから、周りの誰からも祝福されるような幸せな七五三にしたいものですよね。

 

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