【伝統の共有】七五三をする意味を子どもと一緒に考えよう
七五三は、親が子連れで日本各地の寺社に参拝し、特別な服装で記念撮影をしたり、おいしい料理を食べたりする習慣が定着しています。
大人である私たちは、何の違和感もなくその習慣を受け入れています。
しかし、様々なことを学び始めた小さな子供たちは、この儀式に戸惑うのが普通です。特に3歳や5歳の子どもは、ただ従うだけということもあり得るし、反対できずに涙ぐむことも。
ところが、7歳になると、なぜこの儀式をしなければならないのかと、思案するようになります。
このような場合、母親は七五三の意義を子供に教えたいと思うのは当然です。そこで、子供の知能に合わせて、わかりやすい言葉でこの習慣を説明することをお勧めします。
「どうして七五三をするの?」
と、七五三の意味を聞かれたら、お母さん自身がしっかりと、お子さんの知識や理解力に合わせて噛み砕き、わかりやすく本質を伝えられたら良いですよね。
そこで、特にお祝いであることをしっかりと伝え、美味しいものなどを食べてお祝いする日なんだと教えてみてはいかがでしょうか?
今回は、そんなお子さんに対して七五三の意味をしっかりと伝えるようにと思い書いてみましたのでよかったらご覧ください。
七五三の由来について
まず、七五三の由来を説明します。子どもに説明するときは、落ち着いてわかりやすく話すことが大切ですが、そのための予備知識として、教師が専門知識を持っていることも必要です。そうすることで、子どもからの突然の質問にも迅速に対応することができます。
平安時代の儀式が元になっている
七五三は、平安時代(794〜1185)に貴族が、当時の医学のレベルでは体調が安定しない生まれたばかりの子供の生存率がとても低く、3歳まですら生きていられないことが珍しくありませんでした。医療が発達していなかった当時としては珍しく、3歳まで生き延びた子供を褒めたのが始まりとされています。
鎌倉時代(1185〜1333)、江戸時代(1603〜1868)の徳川家、さらに明治・大正時代を経て、商家や市民にも取り入れられるようになりました。年齢的な節目を迎えたことを祝い、その先の健康を祈る風習です。
そこで3歳まで育ってくれたら、「おめでたいこと」としてお祝いをし、さらに成長に合わせて5歳、7歳と無事育ってくれたことを喜び、その後の健康も祈ってました。
こうした風習は、鎌倉時代の武家政権にも受け継がれていき、そして江戸時代の徳川家によってほぼ現在につながる儀式の形が出来上がり、その後、明治大正と商家や庶民の間に広がっていったと言われています。
どのようなことを行うのか
儀式としては、3歳時に「髪置き」、5歳時に「袴着」、7歳時に「帯解き」というものが行われるのが一般的です。
髪置き
「髪置き」は、衛生管理の理由でその歳まで剃っていた髪の毛を伸ばすことが許されるという儀式で、男女ともに行われ、健康と長寿を願います。
袴儀
「袴着」は大人の正装である袴を始めて着る儀式で、現在では主に男の子が行っており、健やかな成長や将来の出世を願います。
帯解き
「帯解き」は主に女の子が行うもので、これまでの子供用の服から帯を締めるようになるお祝いです。
当日の過ごし方
現代では年齢と性別ごとに上記の儀式を神社やお寺でお願いしますが、そうした祈祷以外にも基本として、お参りや記念撮影を行い、用意された特製の料理や千歳飴を食べるなどして過ごします。
お子さんにどうやって伝えるか
ここからが本題になりますが、こうした由来や儀式の内容のことを、お子さんにはどう伝えるのが良いのでしょうか? もちろんこのままを説明しても理解するのは難しいですし、実感の伴わない知識は身につきません。そこでわかりやすいように必要な部分だけを簡単な言葉へ言い換えて、部分ごとに分けて伝えるようにしましょう。
由来について
時代は平安時代か、または「すごい昔」などでもよいでしょう。その上で、今のように病院やよく効くお薬がまだなく、病気にかかりやすかったので、しっかり育ってくれたことをお祝いする行事だったと伝えます。
ポイントは昔からある伝統的なものであること、また医療や医学と言っても伝わりにくいので、お子さんにとっても身近な病院やお薬といったものを例に挙げて説明します。また「死」に関してもまだ理解することは難しく、重い印象も与えてしまうので、これもお子さん自身に馴染みのある病気や体の具合などを例として伝えます。特にお祝いであることをしっかりと言っておくと、ポジティブな印象になるでしょう。
七五三の意味と由来について詳しく解説! ⇒ https://snow-in.cc/post/blog/2948/
なぜ3歳、5歳、7歳なのか
昔の3つの儀式が元になっているということと、それくらいの年代が病気になりやすく、親にとって成長がとても嬉しいことでした。また3歳になる頃には言葉が喋れるようになり、5歳には物事を考えられるようになり、7歳には歯が抜け替わるとも言われています。そうした子供が大人になるまでの大切な時期であることとあわせて伝えるのも良いでしょう。
何をするものなのか
神社にお参りをしてお祈りをしてもらい、美味しいものなどを食べてお祝いする日なんだと教えてみてはいかがでしょう? お祝いとして千歳飴のように見た目も可愛くて甘いお菓子が食べられることを強調しても良いでしょう。
千歳飴には名前や形状からもわかるように、細く長く1000歳まで生きられるようにという願いが込められています。そういった説明も実物を見ながらだとわかりやすく、興味を引くかもしれません。
また、近年では記念撮影をすることが定番ですが、きれいな着物を着られるのも女の子にとっては嬉しいことでしょう。きれいに着飾ってメイクもして、記念になる写真を残せるということも行事の一つであり、楽しいことだとして教えてあげると喜んでくれることでしょう。
まとめ
儀式というのはまだ小さいな子供には理解が難しく、なぜそれが必要なのかということに疑問を持ちはじめると、なかなか明確な回答が得られるものではありません。大人であっても、たとえばここに書かれている内容だけではよく分からなかったり、納得しきれない部分もあると思います。実際、由来にしても諸説があるものの、本当の意味で七五三の理由を理解できている人は大人でも多くはないかもしれません。
古来から現代までずっと共通し続けているのが、子供のここまでの成長をお祝いするという点と、これからの成長を真摯にお祈りするという点です。その気持ちを本質として、お子さんが幸せになって欲しいお祝い事だということを優しく伝えることが大切だと言えるでしょう。
なんて教えてあげるのがよいかもしれませんね!