【七五三の雑学】七五三の考え方にエリアによってこんなに文化の違いが!
七五三は、子供の成長を祝い、将来の健康を祈る日本の行事で、現代では全国的に定着しています。
しかし、この風習は全国で一斉に始まったわけではなく、文化の伝播や地域の風習の影響を受け、地域ごとに異なる特色を持って受け継がれてきたものがあります。
例えば、関東地方で始まったとされていますが、北海道から九州まで、それぞれの地域の特色を生かした違いが見られます。
七五三では女の子が3歳、男の子が5歳になったときから3つの吉日を数え、お祭りをします。神社やお寺に参拝するほか、着物を着て写真スタジオや写真館で記念写真を撮影することや、特定の食べ物を食べることもあります。
また、お祝いの記念に11月にこだわらず、前撮りや後撮りサービスを利用して写真を残す家族も増えています。
いつからはじまったの?
七五三の起源については、複数の説がありますが、小さな子どもの成長を祝うという習わしは平安時代にはじまったとされています。その後、時代ごとの影響を受けて変化を繰り返し、江戸時代の徳川家によって形が整えられ、明治や大正といった時代を経て、庶民にとっても馴染み深い行事となり、現在の形に定着したと言われています。
このように、七五三は主に関東地方で盛んに行われ、全国へと広がっていきました。その過程で各地の風習や文化を取り入れ、地域特色のある行事となりました。また、元々は関東地方のものであったことから、地域によって行事への積極性に差があるようです。
北海道編
七五三の正式な日程は、11月15日ですが、日本の北部である北海道では11月半ばには既に雪が降り始めるため、10月15日頃に行うのが一般的です。
この日程には、しっかりとした由来があります。1949年に、札幌の神職たちが寒さを考慮して、北海道全土で10月15日を七五三の日とすることを決定しました。子供たちと両親が、しっかりとおめかしをして参拝に行くには、雪や氷が足元を危険にさせることもありますからね。
北海道以外でも、同じように寒い地域では10月15日を七五三の日としているところがあるようです。このように、地域によって異なる七五三の日程があることを知っておくと、計画を立てる際に参考になるかもしれません。
新潟編
新潟県にある松苧神社は、国の重要文化財に指定されており、坂上田村麻呂が創建したとされています。この神社では、独自の風習である「七ツ詣り」と呼ばれる行事が行われています。
この行事では、7歳になる男の子が、神社がある松苧山の山頂まで登ってお参りをします。松苧山は標高360メートルあり、登山の途中には鎖場などの険しい箇所もあり、7歳の子どもにとっては容易ではありません。無事登頂に成功したら、神社でご祈祷を受けた後に、家族や親戚と一緒に宴会の席でお祝いを受けます。また、神社の周りには出店も多くあり、登頂後には楽しいイベントもたくさんあるようです。
愛知・名古屋編
七五三のお祝いは、地域によって様々な風習があります。関東発祥である現在のお祝いは全国に広がり、平均化が進んでいますが、地域独自の風習が根付いている場所もあります。
中部地方は関東に近いため、違いはそれほど大きくありませんが、初穂料の水引きなど微妙な違いがあるようです。また、千葉県や茨城県などは、豪華な式が行われることで知られていますが、名古屋でも近年では豪華な企画が提案され、地域ならではの特色を出す試みがされています。
関西編
関西地方でも七五三は行われていますが、関東圏に比べると熱心ではない地域が多いと言われています。これは、七五三の発祥が関東地方であるため、そこから広がってきたという背景があると考えられます。関西地方には元から伝わる子どもを祝う行事があり、そちらに重点が置かれているため、七五三に対する関心が低いとも言われています。
また、関東との違いとして、関東では参拝後に千歳飴を貰って家族でお祝いの食事をするのに対して、関西では参拝だけして終わりの家庭も多いようです。初穂料の水引きについても、関東では「蝶結び」が一般的であるのに対し、関西では「あわび(あわじ)結び」が多く使われています。
九州編
福岡県や熊本県のように、七五三の他にも地域に独自の子どもを祝う行事がある地域は全国に多くあります。その中でも、鹿児島県の「七草祝い」は独特の風習を持ち、地域の歴史や文化を反映したものとして注目されています。
また、他にも各地で子どもを祝う行事があることからも、日本には子どもを大切にする文化が根付いていると言えるでしょう。七五三や他の子どもを祝う行事は、将来の健康や幸せを願うとともに、家族の絆を深める大切な機会となっています。
まとめ
名古屋など比較的関東に近い地域ではあまり違いはありませんが、北海道では気候の関係で1ヶ月ずらしたり、新潟や九州ではもともとその地域で行われていたお祝いが時代とともに統合されたりしています。
また、北海道などでは、気候の関係で1カ月ずらす場合もあります。
また、七五三の文化が伝わった時期や、関東地方との物理的な距離によって、熱意に差があるようです。
地域や寺社によって、七五三の日程や行事、祝い事の内容は異なるので、近くの七五三の行事について、地域の資料や知り合いに聞いてみると面白いかもしれませんね。
また、地域のお祭りや行事では、その日の伝統的なお祝いを紹介する解説活動が行われることもあり、その地域の風習をさらに知ることができるかもしれません。
それぞれの地域に合った方法で、お子さんをお祝いしてあげてください。
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